【元管理者が本音解説】ユニット型特養はきつい?崩壊の理由とAIで変わる現場の未来
「ユニット型特養は一人で見なきゃいけないから大変…」「夜勤が怖くて続けられるか不安…」
家庭的な雰囲気で、一人ひとりに寄り添うケアができる「ユニット型特養(特別養護老人ホーム)」。その理想とは裏腹に、現場からは「きつい」「崩壊寸前」という悲痛な声が聞こえてくることも事実です。少人数だからこその重圧、ギリギリの人員配置、終わらない記録業務…。
この記事では、介護業界で20年以上、ユニット型特養を経験してきた私が、その「きつさ」の正体を包み隠さず解説します。
なぜ現場は疲弊するのか。そして、精神論ではなく、AI(人工知能)という最新テクノロジーを使って、具体的な「時間」と「心の余裕」を取り戻す方法まで。現場の負担を減らし、笑顔でケアするための現実的な解決策をお伝えします。
【本音】ユニット型特養が「きつい」と言われる3つの構造的理由

介護AI戦略室:イメージ
「きつい」と感じるのは、あなたの能力不足ではありません。ユニット型特養という仕組み自体が抱える、構造的な課題があるのです。
1. 「一人配置(ワンオペ)」のプレッシャー
ユニット型の最大の特徴は、10名程度の少人数ケアです。しかし、これは裏を返せば「その時間は自分一人で全てを判断し、対応しなければならない」ということを意味します。
食事介助中にトイレコールが鳴り、同時に転倒のリスクがある方が立ち上がる…。助けを呼べない状況でのマルチタスクは、精神的に大きな負担となります。
2. 濃密な人間関係と「逃げ場のなさ」
ご利用者との距離が近いことは魅力ですが、相性が合わない場合や、認知症による暴言・暴力がある場合、職員は逃げ場を失います。また、少人数のチームで運営するため、職員同士の人間関係が悪化すると、すぐに業務全体に影響が出ます。
3. 「個別ケア」という名の業務過多
「一人ひとりの生活リズムに合わせる」という理念は素晴らしいですが、現実は「起床も食事もバラバラ」な対応を、限られた人員でこなさなければなりません。結果、記録や準備などの業務が複雑化し、休憩時間が削られることも少なくありません。これが「ユニットケア崩壊」と言われる現場の実態です。
【実例公開】AI導入で現場はどう変わった?「きつい」を「楽」にする具体策

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この構造的な「きつさ」を、人の努力だけで解決するのは限界があります。そこで私が取り組んだのが、AIの導入です。実際に私の現場で起きた変化をご紹介します。
事例①:AI記録で「記録時間 90分削減」
【導入前】
個別ケアのため記録量が多く、手書きとPC入力で毎日1時間半以上の残業が発生。職員は「記録のために働いているようだ」と疲弊していました。
【導入後】
音声入力AIを導入。「〇〇さん、お茶全量摂取」とスマホに話すだけで記録が完了し、申し送り事項も自動で整理されます。
→ 結果:1日あたりの記録業務時間が全体で平均90分削減。残業がほぼゼロになり、空いた時間をご利用者との会話に充てられるようになりました。
事例②:AI見守りで「夜間巡回回数 60%削減」
【導入前】
夜勤は2ユニット(約20名)を1人で担当。不安から30分~1時間おきに巡回していましたが、ドアの開閉音でご利用者を起こしてしまう悪循環もありました。
【導入後】
ベッドにAI見守りセンサーを設置。離床や睡眠状態をリアルタイムで検知し、スマホに通知。
→ 結果:不要な巡回がなくなり、訪室回数が60%減少。「何かあったらAIが教えてくれる」という安心感が、夜勤者の精神的負担を劇的に軽くしました。
事例③:AIシフト作成で「リーダー業務の負担軽減」
ユニットリーダーは、ケアとマネジメントの板挟みで最も負荷が高いポジションです。特にシフト作成は複雑で、毎月数日を費やしていました。AIによる自動作成を導入したことで、作成時間は数時間に短縮。リーダーが現場のケアや新人指導に集中できる環境が整いました。
AIと人が作る、新しいユニットケアの形

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「AIに介護ができるのか?」という声もありますが、私の答えは「AIに任せるべき仕事」と「人がやるべき仕事」を分けることです。
- AIの役割:記録、見守り(監視)、シフト作成、データ分析
- 人の役割:感情への寄り添い、手厚い身体介助、楽しみの共有
「きつい」業務をAIが肩代わりすることで、職員は心に余裕を持って、本来の「家庭的なケア」を実践できるようになります。これこそが、これからのユニット型特養が目指すべき姿です。
まとめ:環境は変えられる。諦めずにテクノロジーを頼ろう

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ユニット型特養の「きつさ」と、その解決策について解説しました。
- 「きつさ」の原因は、ワンオペや個別ケアによる構造的な業務過多にある。
- 精神論で耐えるのではなく、AIやICTツールを導入して物理的に業務を減らすべき。
- 記録の音声入力やAI見守りは、劇的な時間短縮と精神的安定をもたらす。
- テクノロジーの活用は、職員を守り、ご利用者へのケアの質を高めるための投資である。
もし今、あなたが現場で「きつい」と感じているなら、それはあなたが弱いからではありません。仕組みを変える時が来ているのです。AIという新しいパートナーと共に、笑顔で働ける現場を取り戻しましょう。


