短期入所生活介護(ショートステイ) 開設ガイド(完全版)

短期入所生活介護(ショートステイ)の施設内の様子を4分割で表示。左上と右上が介護職員による入浴介助、左下が個室で読書する高齢女性、右下が食堂で食事をする高齢者と介護職員の風景。上部に「短期入所生活介護(ショートステイ)開設ガイド」の文字。
介護AI戦略室:イメージ

短期入所生活介護(ショートステイ) 開設ガイド(完全版)

元管理者の視点で、人員基準・設備・費用・開設手順・補助金・注意点まで徹底解説します。

結論:短期入所生活介護(ショートステイ)はこんな方におすすめ

  • 在宅介護を支える「レスパイトケア」として事業展開したい方
  • 通所系サービスや特養と組み合わせて幅広いケアを提供したい方
  • 宿泊・食事・入浴・機能訓練をトータルで提供する施設運営を目指す方

開設に必要な要件(人員・設備・法人要件)

人員基準

  • 管理者:常勤1名(専従が原則。他事業との兼務は制限あり)
  • 生活相談員:常勤1名以上(社会福祉士・社会福祉主事任用資格など)
  • 介護職員:利用者数に応じて3:1以上の配置
  • 看護職員:1名以上(准看護師可)
  • 機能訓練指導員:PT・OT・ST・柔道整復師など(兼務可だが配置必須)
  • 嘱託医:非常勤で契約(健康管理・緊急時対応の指導を行う)

※夜勤を含む24時間体制のため、シフト勤務可能な人員確保が必要です。

設備基準

  • 居室(個室または多床室。定員に応じた十分な面積が必要)
  • 食堂兼機能訓練室
  • 浴室(一般浴・機械浴)
  • トイレ(車いす対応のバリアフリー設計)
  • 静養室・医務室
  • 事務室・相談室
  • 厨房(自社調理または外部委託)

法人・許認可

  • 法人格:株式会社、社会福祉法人、医療法人、NPO法人など
  • 指定申請:都道府県(介護保険の指定事業者として申請)
  • 必要書類例
    • 事業計画書・収支予算書
    • 登記事項証明書・定款
    • 管理者・相談員・看護師・機能訓練指導員の資格証明書
    • 就業規則・雇用契約書
    • 平面図・賃貸契約書・消防設備関連書類

開設にかかる費用イメージ

初期費用(目安)

  • 物件取得・改修工事:2,000〜5,000万円(居室・浴室・厨房の整備含む)
  • 備品・家具・介護機器:1,000〜1,500万円
  • 人件費予備(3か月分):1,000〜1,500万円
  • 合計:4,000〜8,000万円

月次収支モデル(例:定員30名・稼働率80%)

  • 収入:1,200〜1,800万円(介護報酬+加算+食材費実費)
  • 支出:人件費800〜1,200万円、食材費60〜100万円、光熱費50〜100万円、建物維持費40〜80万円
  • 利益:100〜200万円(稼働率・加算取得により変動)

開業までの具体的なステップ(チェックリスト)

  1. 市場調査(地域の高齢者人口・競合施設の確認)
  2. 物件選定・改修計画(消防・建築基準を満たすことが必須)
  3. 人員計画(夜勤対応を含めた介護職・看護師の確保)
  4. 法人設立・行政への指定申請
  5. 運営開始(ケアマネジャー・包括支援センターへ周知)

よくあるQ&A(FAQ)

Q:賃貸物件でも始められますか?

A:はい。ただし居室・浴室・消防設備など大規模改修が必要となるケースが多いです。

Q:補助金は使えますか?

A:はい。国や自治体の「介護基盤整備」「地域包括ケア推進」の補助金が対象になる場合があります。

Q:黒字化までの期間は?

A:利用者の稼働率次第ですが、1〜2年程度を見込むのが一般的です。

Q:医師の常勤配置は必要ですか?

A:いいえ。常勤配置は不要で、嘱託医契約で対応できます。

taka careのイラスト

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