介護療養型医療施設(介護療養病床) 開設ガイド(2024年3月末廃止)
制度廃止までの経緯、人員・設備基準、開設要件、費用、そして介護医療院への転換を含めた実務ポイントを解説します。
結論:介護療養型医療施設は現在どうなっているか
- 2000年の介護保険制度創設時に導入された「医療型介護施設」
- 慢性期医療と介護が必要な高齢者を長期入所で支える施設
- 2024年3月末で廃止 → 現在は「介護医療院」への転換が基本
- 新規開設は不可(廃止済み)
人員・設備基準(廃止時点の基準)
人員基準
- 施設長:医師(常勤)
- 医師:入所者に応じ常勤配置
- 看護職員:入所者6人に1人以上(20:1配置)
- 介護職員:入所者3人に1人以上(常勤換算)
- 管理栄養士:1名以上
- 介護支援専門員:1名以上
設備基準
- 療養室(1室4人以下、1床あたり床面積8㎡以上)
- 診察室・処置室
- 食堂・機能訓練室
- 浴室(一般浴・特殊浴)
- バリアフリー対応トイレ
- スプリンクラー・非常用設備
開設にかかる費用(参考)
※すでに廃止されているため「過去の目安」です。
- 新築:15〜25億円(100床規模)
- 病院転換型:数億円(改修費)
- 医療・介護人件費が大きなコスト比率を占める
運営面では「介護報酬+医療系加算」で収入を得る仕組みでしたが、医療区分の高い入所者が多いため人件費が高く、収支管理が課題となっていました。
開設ステップ(過去制度)
現在は開設できませんが、制度上の流れは以下の通りでした。
- 医療法人による設置計画
- 都道府県への設置許可申請
- 介護保険事業者指定
- 施設整備(病院病床の転換が中心)
- 運営開始
現状と今後
- 介護療養病床は2024年3月末で廃止
- 転換先は「介護医療院」または「老健・特養など」
- 国の方針として、介護療養から介護医療院への移行が推奨されている
- 今後、新規開設は不可能 → 「介護医療院」を検討すべき
よくあるQ&A(FAQ)
Q:介護療養型医療施設はまだ運営されていますか?
A:いいえ。2024年3月末で制度廃止となりました。
Q:新規開設は可能ですか?
A:不可能です。現在は「介護医療院」などが代替施設となります。
Q:介護医療院との違いは?
A:介護療養は「介護保険適用の病床」で、医療色が強いのが特徴でした。介護医療院は「医療+生活」を重視した施設で、より長期入所を前提としています。
Q:今後検討するならどの施設がよいですか?
A:制度上は介護医療院が最も近い位置づけです。新規に介護療養型を開設することはできません。