介護保険主治医意見書・問診票の記入例|ケアマネ直伝の書き方とAI時短術
こんにちは。介護AI戦略室、運営者のtaka careです。
「介護保険の主治医意見書をもらうための問診票(予診票)を渡されたけれど、何を書けばいいかわからない…」
「特記事項にどこまで書けば、家での大変さが先生に伝わるの?」
介護保険の申請手続きで、ご家族が一番頭を抱えるのがこの場面です。主治医がいない場合はどうすればいいのか、費用はかかるのかなど、不安は尽きませんよね。
この記事では、約20年にわたりケアマネジャーや施設長として無数の主治医意見書に関わってきた実務家の視点から、「医師が知りたい生活のリアルな実態(介護の手間)」を正しく伝える問診票の書き方を解説します。(参考:厚生労働省「要介護認定における「認定調査票記入の手引き」、「主治医意見書記入の手引き」及び「特定疾病にかかる診断基準」について」)
さらに後半では、当サイトのテーマでもある「AI」を活用して、面倒な下書きの時間を劇的に減らすコツも紹介します。介護は気合いだけでは乗り切れません。「人が見るべきところ」と「AIに任せるところ」を分けて、賢く負担を減らしていきましょう。
- 予診票・問診票に「何を書けば」医師に伝わるか
- 特記事項で失敗しないための文例とコツ
- 主治医意見書のもらい方、費用、主治医がいない場合の対処法
- AIを使って散らかったメモを「医師向けの文章」に10分で整理する術
介護保険主治医意見書・問診票の基本と役割

箇条書きで「事実」を整理する。この3つの軸を意識するだけで、医師にとって最も使いやすい「カンペ」が完成します
まずは、問診票(予診票)と主治医意見書の役割を押さえておきましょう。
主治医意見書は、要介護認定の審査(二次判定)で使われる非常に重要な書類です。認定調査員の調査結果(数字)だけでは見えにくい、「医学的な視点から見た生活機能の低下」を補う役割があります。
そして、家族が書く問診票(予診票・情報提供シート)は、その主治医意見書を正確に書いてもらうための「下準備(カンペ)」です。診察室の数分間では絶対に見えない「家庭での介護の手間」を、医師に伝えるための重要なツールだと考えてください。
予診票の書き方:3つの軸をそろえる
予診票は、きれいな文章を書く場ではありません。「家で何が起きていて、家族がどれだけ困っているか」を、医師が一読でつかめるように箇条書きで整理する場です。
「歩けません」「大変です」という抽象的な言葉や感情論ではなく、事実を書きましょう。書くときに迷ったら、以下の「3つの軸」をそろえると圧倒的に伝わりやすくなります。
予診票・問診票に書くべき「3つの軸」
| 書く軸 | 具体例 | 伝わりやすさの理由 |
|---|---|---|
| いつ(タイミング) | 夜間、朝の起床時、入浴時、服薬時 | 困りごとが出る時間帯が見える |
| どこで(場所) | 自宅の階段、トイレ、浴室、外出先 | 転倒などの危険な場面を医師が想像しやすい |
| どれくらい(頻度) | 毎日、週に3回、1日(夜間)2回 | 家族が手を取られている「介護の重さ」が伝わる |
たとえば、「歩行が不安定です」と書くより、「夜間、トイレに行く際にふらつき、この1か月で2回尻もちをついた」と書くほうが、医師も「転倒リスクが高く、夜間の見守りが必要だな」と意見書に反映しやすくなります。
特記事項の文例:遠慮は禁物
特記事項の欄は、チェック式の項目には当てはまらない「生活のリアル」を補足する場所です。ここで大事なのは、「その症状のせいで、家族がどれだけ手を取られているか」まで踏み込んで書くことです。
特に認知症に関連する行動(BPSD)は、介護の手間として非常に重く見られます。火の不始末、不潔行為、妄想などは、恥ずかしがって隠してしまうご家族も多いですが、ここが抜けると要介護度が軽く出やすくなってしまいます。
【文例】感情ではなく「事実と行動」を書く
- × 弱い書き方:本人が怒りっぽくて大変です。
- ○ 伝わる書き方:入浴の声かけをすると怒鳴って強く拒否し、介助者の腕を振り払うため、週に1回しか入浴できていない。
- × 弱い書き方:夜眠れません。
- ○ 伝わる書き方:夜中に「財布を盗まれた」と言って家中を探し回る。家族がなだめるのに毎晩1〜2時間かかり、睡眠不足である。
主治医意見書のもらい方と費用の注意点
主治医意見書は、介護保険の申請をした後に、市区町村から直接、主治医へ作成依頼がいく仕組みです。家族が白紙の意見書をもらって病院に持ち込むわけではありません。問診票(予診票)は、受診のタイミングで「参考資料」として医師や受付に渡すのが一般的です。
気になる費用についてですが、主治医意見書の作成費用(文書料)自体は、市区町村が負担するため無料(自己負担なし)です。
しかし、「意見書を書くための診察や検査(血液検査・CTなど)」を行った場合は、通常の医療費として自己負担が発生します。ここを混同して「全部無料だと思っていたのに!」とトラブルになることが多いので、受診時に「意見書作成のための診察料や検査代はかかりますか?」と窓口で確認しておくと安心です。
主治医がいない場合はどうする?
「ずっと健康だったから、かかりつけの主治医がいない」という場合でも、手続きが止まることはありません。
市区町村の介護保険窓口や「地域包括支援センター」に相談すれば、指定の医療機関や、近隣の診てくれる医師を紹介してくれます。
初めての医師に診てもらうからこそ、事前に「直近の困りごとメモ(予診票)」を作って持参することが極めて重要になります。A4用紙1枚で構いませんので、「お薬手帳」と一緒に必ず持参してください。
「取り繕い」への対策
ご高齢者は、医師の前に行くとシャンとして「何でも一人でできます。痛いところもありません」と答えてしまうことが多々あります(これを業界では「取り繕い」と呼びます)。
これに対抗するには、診察室で本人を否定して言い争うのではなく、事前に医師や看護師に「家での本当の様子を書いたメモ」をこっそり渡しておくのが一番賢い方法です。
AI活用術:散らかったメモを「医師向け文章」に10分で整理

バラバラの単語をAIに渡すだけで、
医師の心に刺さる「客観的な報告文」へと一瞬で生まれ変わります
ここからは、当サイト「介護AI戦略室」ならではのアプローチです。
「いつ・どこで・どれくらい」を書けばいいと分かっても、日々の介護で疲れ切っているご家族が、白紙からわかりやすい文章をひねり出すのは本当にしんどい作業です。
そこで、AI(ChatGPTやClaudeなど)を「下書きの相棒」として使いましょう。AIは、バラバラの単語を整理して「伝わる文章」に並べ直すのが非常に得意です。
(※介護現場におけるAIやICTの活用がなぜ今必須なのかについては、介護の人手不足はなぜ当たり前?現場のリアルな実情とAIで乗り切る未来戦略でも詳しく解説しています。)
予診票・特記事項をAIで時短するプロンプト(指示文)
ご家族は、スマホのメモ帳などに「夜起きる」「転んだ」「薬忘れる」「お風呂嫌がる」と、思いついた事実を単語で箇条書きにしておくだけでOKです。それをAIに以下のように指示して整えさせます。
【コピーして使える】AIへの指示文(プロンプト)例
以下の「箇条書きのメモ」をもとに、介護保険の主治医意見書の問診票(特記事項)に記載する文章を作成してください。
主治医が短時間で「家庭での介護の手間や危険性」を把握できるよう、客観的でわかりやすい文章に整理してください。
【箇条書きのメモ】
・本人は病院だとしっかりしている
・でも家では5分前のことを忘れる
・夜中に2回はトイレに起きる。昨日ふらついて転びそうになった
・お風呂は「入った」と嘘をついて嫌がる
・家族は日中も目が離せず、夜も眠れなくて限界
▼ AIの出力イメージ ▼
「診察時はしっかり応答されますが、自宅では5分前の会話を忘れるなど短期記憶の低下が顕著です。夜間は2回以上トイレに起きますが、ふらつきがあり転倒リスクが高いため(直近でも転倒未遂あり)、家族の付き添いが必須です。また、入浴への強い抵抗・拒否があり清潔保持が困難です。昼夜問わず見守りが必要な状態であり、家族の睡眠不足や介護負担が限界に達しています。」
いかがでしょうか?ご自身でこの文章をゼロから考えるより、はるかに早く、的確な文章が出来上がります。
「人が観察した事実を、AIが伝わる形に整える」。この役割分担を取り入れるだけで、書類作成の心理的ハードルは劇的に下がります。
まとめ:問診票は「家族のSOS」を医師に届ける手紙

問診票は、あなたと医師を繋ぐ大切な「手紙」。
正しい準備が、ご本人を守り、家族を救う認定結果へと繋がります
主治医意見書の問診票(予診票)は、難しく考える必要はありません。「家で起きている事実と、家族の困りごと」を医師に共有するための大切な土台です。
- 「いつ・どこで・どれくらい」の事実を書く
- 感情論ではなく、「介護の手間(行動)」を書く
- 取り繕い対策として、事前にメモ(紙)で渡す
- 文章の組み立てはAIを活用して時短する
書類作成で立ち止まる時間は最小限にして、本当に必要な「ご本人と向き合う時間」や「ご自身の休息時間」をしっかり確保してくださいね。迷ったときは、地域包括支援センターやケアマネジャーに遠慮なく頼ってください。

