デイサービス入浴介助マニュアル作成ガイド|厚労省基準対応とAI活用で事故ゼロ・残業減へ
デイサービスの現場において、入浴介助は最も事故リスクが高く、かつ職員の体力・精神的負担が大きい業務の一つです。「デイサービス 入浴介助 マニュアル」と検索されたあなたは、今あるマニュアルに不安を感じていたり、新人指導での伝え方に悩んでいたりするのではないでしょうか。
「背中の洗い方はこれで合っているのか?」 「1人介助の基準はどこで線引きすべきか?」 「厚労省の加算要件を満たす手順とは?」
本記事では、元施設管理者としての実務経験に基づき、「事故を防ぎ、加算要件を満たし、職員を守る」ためのマニュアル作成法を解説します。さらに、最新のAI技術を活用してマニュアルを「形骸化させない」ためのチームマネジメント術についても、具体的な削減時間やエピソードを交えて紹介します。
1. 【基礎編】厚労省基準に基づく入浴介助マニュアルの考え方

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入浴介助は「洗う作業」ではなく「自立支援」
マニュアルを作成する前に、まず定義すべきは「入浴介助の目的」です。厚生労働省の指針や「入浴介助加算」の要件では、入浴は単なる身体の清潔保持だけでなく、「心身機能の維持」「自宅での入浴継続に向けた指導・支援」と位置づけられています。
したがって、マニュアルに「体を洗う手順」しか書いていない場合、それは不十分です。「自宅の浴槽をまたぐ動作を模した訓練」や「更衣動作の見守り基準」が含まれて初めて、プロのマニュアルと言えます。
参考:厚生労働省「介護サービス関係Q&A」より通所介護の入浴介助加算に関する項目を参照
「1人介助」か「2人介助」かの判断基準
「人手が足りないから1人でやる」というのは最も危険な判断です。マニュアルには、経験則ではなく客観的な基準を設ける必要があります。
- 1人介助OK: 座位保持が安定しており、手すりがあれば自力で立位・方向転換が可能な場合。
- 見守り必須: 浴室内の移動や、浴槽への出入り時にふらつきのリスクがある場合。
- 2人介助推奨: 重度の麻痺、認知症による突発的な行動、著しい体重差がある場合。
私が管理者をしていた頃は、この分岐フローを脱衣所に掲示し、当日のバイタル(血圧・脈拍)次第でランクを変更するルールを運用していました。
安全な「背中の洗い方」とボディメカニクス
事故だけでなく、職員の腰痛を防ぐ記述も不可欠です。背中を洗う際は、以下のポイントをマニュアル化します。
- 利用者の足底接地: 必ず足が床についているか確認する(姿勢安定のため)。
- 職員の立ち位置: 真後ろではなく、斜め後ろに立つ(急な後方転倒を支えるため)。
- 重心移動: 手先だけで洗わず、膝を使って体重移動で洗う(腰痛予防)。
2. 【実践編】現場で使えるマニュアルの作り方

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「読まれないマニュアル」からの脱却
分厚いファイルに入った文字だらけのマニュアルは、緊急時に役に立ちません。現場で求められるのは「直感的に動けるツール」です。
構成案:3層構造で作る
マニュアルは以下の3つのレイヤーに分けて作成することをお勧めします。
| 階層 | 内容 | 形式 |
|---|---|---|
| ① 理念・基本方針 | なぜ入浴介助をするのか、禁止事項(虐待防止)など | 研修資料・冊子 |
| ② 手順・フロー | 入浴順の決定ルール、緊急時対応フロー | 壁掲示・ラミネート |
| ③ 個別手順 | Aさんは右麻痺なので左側から介助、等の詳細 | AIタブレット・ケアプラン |
3. 【未来編】AI活用でマニュアルを「生きた仕組み」にする

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マニュアルを作っても、人間は忘れる生き物ですし、忙しいと手順を飛ばしてしまいます。ここで役立つのがAI(人工知能)です。私が現場で導入し、効果を上げた手法を紹介します。
AIで「注意点」を自動リマインド
紙のマニュアルを確認する暇がない現場のために、タブレットとAIを連携させました。
- 仕組み: 入浴担当者がタブレットで利用者名を選択。
- AIの動き: 過去のヒヤリハット記録やバイタルデータを瞬時に解析。
- アウトプット: 「※注意※ 先週、浴槽から出る際に立ちくらみあり。2名介助推奨」と画面にポップアップ表示。
これにより、新人が担当してもベテランと同じ「危険予知」が可能になりました。
AI音声入力による記録時間の短縮
入浴後の記録(皮膚状態や排泄の有無など)は、記憶が鮮明なうちに残す必要がありますが、手書きやPC入力は時間がかかります。
【導入効果の実測値】
- 記録時間:1人あたり平均4分 → 1分(75%削減)
- 入浴関連の残業時間:月間約30時間削減(事業所全体)
「〇〇さん、入浴完了。右肩に発赤なし。機嫌良し」とインカムに呟くだけで記録が完了する環境は、職員の精神的余裕を劇的に生み出しました。
4. まとめ:マニュアルは「守るための盾」であり「攻めのツール」

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デイサービスの入浴介助マニュアルは、単なる作業手順書ではありません。
- 利用者を守る: 事故や体調急変を防ぐ。
- 職員を守る: 「マニュアル通りに行った」という事実は、万が一の訴訟リスク等の際に職員を守る証拠になる。
- 事業所を守る: 法令遵守(コンプライアンス)と加算算定の根拠になる。
そして今、そこにAIというパートナーが加わりました。人間が「ケア」に集中し、AIが「ルールと記録」を支える。この役割分担こそが、人材不足の介護現場を救う現実的な解だと確信しています。
まずは、今のマニュアルに「なぜそうするのか(根拠)」が書かれているか、見直すところから始めてみませんか?
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