結論：通所リハビリテーション（デイケア）はこんな方におすすめ

• 医療と介護の中間領域でリハビリ中心の通所サービスを提供したい方
• 病院・クリニックとの連携で利用者の在宅復帰を支援したい方
• 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など専門職を活かした事業を展開したい方

開設に必要な要件（人員・設備・法人要件）

人員基準

• 管理者：常勤1名（専従が原則。他事業との兼務は制限あり）
• 医師：配置義務あり（常勤または非常勤、利用者ごとのリハ計画書に関与）
• 生活相談員：常勤1名以上（社会福祉士・社会福祉主事任用資格など）
• 看護職員：1名以上（准看護師可）
• 介護職員：ご利用者数に応じて3：1以上の配置
• リハビリ専門職：PT・OT・STのいずれか（専任配置が基本）

※デイサービスよりも医療的色合いが強く、特に医師・リハ職員の配置が必須要件です。

設備基準

• 事務室（記録・管理スペース）
• 機能訓練室（定員に応じた十分な面積が必要）
• 静養室（ベッドを備えた休養スペース）
• 浴室・トイレ（バリアフリー設計が望ましい）
• 食堂（機能訓練室と兼用可能な場合あり）
• 送迎用車両（リフト車・スロープ車が一般的）

法人・許認可

• 法人格：医療法人、株式会社、社会福祉法人、NPO法人など
• 指定申請：都道府県（介護保険の指定事業者として申請）
• 必要書類例：
  • 事業計画書・収支予算書
  • 登記事項証明書・定款
  • 管理者・医師・リハ職員・生活相談員などの資格証明書
  • 就業規則・雇用契約書
  • 平面図・賃貸契約書・消防設備関連書類

開設にかかる費用イメージ

初期費用（目安）

• 物件取得・改修工事：500〜1,000万円（機能訓練室・浴室整備含む）
• 備品・リハ機器・家具：300〜600万円
• 送迎車両：200〜400万円
• 人件費予備（3か月分）：800〜1,200万円
• 合計：1,800〜3,200万円

月次収支モデル（例：定員40名規模）

• 収入：1,000〜1,500万円（介護報酬＋加算＋食材費実費）
• 支出：人件費700〜1,000万円、賃料・光熱費80〜150万円、送迎車維持費30〜50万円、リハ機器維持費20〜40万円
• 利益：100〜200万円（稼働率と加算取得により変動）

開業までの具体的なステップ（チェックリスト）

1. 市場調査（地域包括支援センター・病院との連携可能性を確認）
2. 物件選定・改修計画（消防・建築基準を満たすことが必須）
3. 人員計画（医師・リハ職員・生活相談員・看護師を確保）
4. 法人設立・行政への指定申請
5. 運営開始（ケアマネジャー・病院・地域包括支援センターへ周知）

よくあるQ&A（FAQ）

Q：賃貸物件でも始められますか？

A：はい。賃貸でも可能ですが、バリアフリー改修や消防基準を満たす必要があります。

Q：補助金は使えますか？

A：はい。国や自治体の「医療・介護連携推進」「介護基盤整備」の補助金が対象になる場合があります。

Q：黒字化までの期間は？

A：利用者獲得スピードによりますが、半年〜1年程度での黒字化が一般的です。

Q：送迎は必ず必要ですか？

A：多くの自治体では送迎が必須要件です。例外規定があるかどうかは事前に確認が必要です。