【元管理者が解説】介護事業所番号の調べ方|公式システムでの確認方法と注意点
「介護事業所番号って、どこで調べれば確実なの?」「請求で使う番号、これで合ってるかな…?」
介護保険サービスの請求や各種手続きに不可欠な「介護事業所番号」。しかし、いざ必要になった時に、その正確な調べ方や確認方法が分からず、困ってしまう方は少なくありません。間違った番号を使ってしまうと、請求が返戻されたり、手続きが遅れたりと、大きなトラブルに繋がりかねません。
この記事では、介護業界で20年以上、施設管理者として請求業務や行政手続きにも深く関わってきた私が、誰でも・確実に・最新の介護事業所番号を調べる方法を、初心者にも分かりやすく徹底解説します。
国の公式システムを使った具体的な検索手順から、間違いやすい「医療機関コード」との違い、そしてAIを活用した未来の事務作業効率化まで。この記事を読めば、もう介護事業所番号の確認で迷うことはありません。
【超基本】介護事業所番号とは?その意味と重要性

介護AI戦略室:イメージ
まず、介護事業所番号が何なのか、なぜ重要なのかを理解しましょう。
介護事業所番号は「事業所のマイナンバー」

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介護事業所番号とは、全国の介護サービス事業所(訪問介護、デイサービス、特養など)に対して、都道府県が指定(許可)を与える際に付与する、10桁の固有の識別番号です。これは、いわば「事業所のマイナンバー」のようなもの。介護保険制度における様々な手続きで、その事業所を特定するために使われます。
- 番号の構成:最初の2桁は都道府県番号、次の1桁(またはアルファベット)は事業所・施設の種別等、それに続く6桁が指定番号、最後の1桁がチェックディジット(検証番号)となっています。(例:東京都の訪問介護なら「137…」)
なぜ正確な番号が必要?使われる場面は?

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この番号は、以下のような非常に重要な場面で使われます。一つでも間違えると、手続きが進まなかったり、報酬が支払われなかったりする可能性があります。
- 介護報酬の請求(レセプト作成・伝送)
- 利用者とのサービス利用契約書
- ケアプラン(居宅サービス計画書)への記載
- 各種加算の届出
- 行政への事故報告書や変更届
- 職員の処遇改善加算に関する書類
【元管理者の経験談】
私が管理者だった頃、請求時に番号を1桁だけ間違えて入力したために、国保連からデータが丸ごと返戻され、月末ギリギリに再提出した苦い経験があります。たった1桁のミスが、事業所のキャッシュフローに影響を与えかねません。番号の正確な確認と管理は、安定した事業運営の生命線なのです。
【これで完璧!】介護事業所番号の「正しい」調べ方【公式ガイド】

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インターネット上には様々な情報がありますが、最も確実で最新の情報を得る方法は、国の公式システムを使うことです。
最重要:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」を使う

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介護事業所番号を調べる上で、最も信頼性が高く、推奨される方法が、厚生労働省が運営するこのシステムです。全国の指定事業所の情報が網羅されており、原則として年に1回更新されています。
【調べ方の手順】
- 公式サイトにアクセスする:
→ 介護サービス情報公表システム(厚生労働省) - 「介護事業所をさがす」を選択する。
- 探したい事業所の「都道府県」「市区町村」「サービスの種類」などを選択(または事業所名を入力)し、検索ボタンをクリックする。
- 検索結果一覧が表示されたら、該当する事業所名をクリックする。
- 事業所の詳細情報ページが表示されるので、「事業所の詳細」欄にある「事業所番号」を確認する。(ここに10桁の番号が記載されています)
このシステムを使えば、番号だけでなく、事業所の住所、電話番号、提供サービス、運営方針、職員体制などの詳細情報も同時に確認できます。
次点:都道府県の公式サイトを確認する
各都道府県の福祉保健局や高齢福祉課などの公式サイトでも、管轄内の介護事業所一覧(指定状況)が公開されている場合があります。PDFやExcel形式でリスト化されていることが多いです。ただし、更新頻度は自治体によって異なるため、最新の情報は上記の「介護サービス情報公表システム」で再確認することをおすすめします。
注意点:民間サイトや古い情報は避ける!

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インターネットで検索すると、民間の介護情報サイトなどでも事業所番号が掲載されていることがあります。しかし、これらの情報は更新が遅れていたり、誤りがあったりする可能性があるため、公的な手続きで使用する番号の確認には絶対に使用しないでください。必ず、厚生労働省または都道府県の公式サイト(一次情報)で確認する習慣をつけましょう。
要注意!「医療機関コード」との決定的な違い

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事務作業で特に混同しやすいのが、「介護事業所番号」と「医療機関コード」です。これらは全くの別物です。
- 介護事業所番号(10桁):介護保険サービスの提供や請求に使われる番号。
- 医療機関コード(7桁または10桁):病院や診療所、薬局などが医療保険(健康保険)の診療報酬請求に使われる番号。
訪問看護ステーションのように、介護保険と医療保険の両方のサービスを提供する事業所は、両方の番号を持っています。請求する保険制度に合わせて、正しい番号を使い分ける必要があります。
【混同するとどうなる?】
私が連携していた居宅介護支援事業所で、新規利用者のケアプランに誤って連携病院の「医療機関コード」を記載してしまい、サービス提供票の作成システムでエラーが出て大騒ぎになったことがありました。番号が違うと、そもそもシステム上で事業所として認識されません。請求だけでなく、サービス提供の根幹に関わる重要な違いなのです。
【未来の効率化】AIで番号管理・事務作業はどう変わる?

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介護事業所番号は、単なる識別子にとどまらず、これからの介護DX(デジタルトランスフォーメーション)においても重要な役割を果たします。
- 請求・加算業務の自動チェック:AI搭載の介護ソフトでは、事業所番号とサービス提供記録を照合し、「この番号の事業所なら、〇〇加算が算定可能ですが、記録が不足しています」といったチェックや提案を自動で行う機能が登場しています。これにより、請求漏れや算定ミスを未然に防ぎ、事務作業の負担を大幅に削減できます。
- データ連携のキーとして:将来的には、事業所番号をキーとして、行政への各種申請や報告、さらには地域包括ケアシステム内での多職種連携(医療・介護連携)などが、よりスムーズに行われるようになる可能性があります。
正確な番号管理は、面倒な事務作業を効率化し、より質の高いケアに集中するための基盤となります。
まとめ:正確な番号確認は、信頼される事業所の第一歩

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介護事業所番号の調べ方と、その重要性について解説しました。
- 介護事業所番号は、介護保険制度における事業所の公式な識別番号(10桁)。
- 最も確実な調べ方は、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」を利用すること。
- 民間サイトの情報は避け、必ず公式情報(一次情報)で確認する。
- 「医療機関コード」とは全く別物。混同すると請求エラーの原因になる。
- 番号は請求だけでなく、契約、計画書作成、各種届出など多くの場面で必要。
- 正確な番号管理は、事務作業の効率化やAI活用によるDXの基盤となる。
たかが番号、されど番号。この10桁の数字を正確に把握し、適切に管理することは、法令遵守はもちろん、利用者様や関係機関からの信頼を得るための基本中の基本です。日々の業務の中で、常に正しい番号を確認する習慣を大切にしてください。
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