【元管理者が解説】ケアプラン2表とショートステイ計画書の違いは?例文とAI活用術
「ケアプラン2表にショートステイの内容をどう書けば?」「ショートステイの計画書って、ケアマネと施設、結局どっちが作るの?」
ショートステイの利用調整において、この「計画書」の問題は、多くのケアマネジャーや施設職員が一度は悩むポイントです。特に「ケアプラン2表」と「ショートステイ計画書」が混同され、現場での連携ミスに繋がるケースも少なくありません。
この記事では、介護業界で20年以上、施設管理者としてこの「計画書連携」の実務に深く関わってきた私が、この複雑な問題をスッキリ整理します。
2つの書類の法的な違いから、すぐに使える具体的な記入例(2泊3日〜ロングまで)、そしてAIを活用してこの面倒な書類作成・連携を効率化する未来まで、この記事一枚で全てが分かるように徹底解説します。
【最重要】「ケアプラン2表」と「ショートステイ計画書」は全くの別物!

介護AI戦略室:イメージ
まず、最大の誤解を解きます。ショートステイ利用時には、似て非なる2つの計画書が存在します。この違いを理解することが、全ての基本です。
| 書類名 | 通称(この記事での呼び方) | 誰が作る? | 何の計画? |
|---|---|---|---|
| 居宅サービス計画書(第2表) | ケアプラン2表 | 居宅ケアマネジャー | 在宅生活全体のマスタープラン(訪問・通所・短期入所など全て) |
| 短期入所生活介護計画書 | ショートステイ計画書 | ショートステイ事業所の計画作成担当者 | ショートステイ滞在中の詳細な実行計画 |
つまり、流れはこうです。
- ケアマネが、ご本人・ご家族の希望に基づき「今月は家族の休息のため、〇日から2泊3日でショートステイを使おう」という大枠の計画(=ケアプラン2表)を作成します。
- その「ケアプラン2表」を受け取ったショートステイ事業所が、「では、その2泊3日間、当施設ではこのように支援します」という詳細な計画(=ショートステイ計画書)を作成します。
この2つの書類がしっかり連携することが、質の高いショートステイの鍵となります。
【ケアマネ向け】ケアプラン2表(居宅サービス計画書)の書き方

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ケアマネジャーが作成するケアプラン2表は、施設側への「依頼書」であり「指示書」です。ここの書き方で、施設側の対応の質が変わります。
「ニーズ」と「目標」を明確にする
施設側が一番知りたいのは「なぜ、この人はショートステイに来るのか?」という目的です。
- NGな目標:「ショートステイを利用する。」(これでは目的が分かりません)
- OKな目標:「定期的なショートステイ利用により、家族の介護負担を軽減し、在宅生活の継続を図る。」
- OKな目標(ロング):「退院後の在宅復帰に向け、施設での集中的なリハビリと生活リズムの再構築を図る。」
「サービス内容」で施設への依頼を具体化する
目標を達成するために、施設に「特にこれをお願いしたい」という内容を具体的に書きます。
【記入例:2泊3日の場合(家族レスパイト目的)】
- サービス内容:短期入所生活介護
- 支援の具体的内容:
- 安全な入浴環境の提供(転倒リスク高いため、必ず2名介助)
- 夜間の排泄介助と安否確認(夜間2回、巡視時に声かけ)
- 日中の離床促進と他者との交流の場の提供
【記入例:ロングショートステイの場合(在宅復帰目的)】
- サービス内容:短期入所生活介護(+個別機能訓練加算)
- 支援の具体的内容:
- 個別機能訓練(PTによる歩行訓練)の実施(週3回)
- 食堂での食事を促し、座位保持時間と経口摂取量の維持を図る
- 在宅復帰後の生活を想定した、トイレでの自立排泄支援
【施設職員向け】ショートステイ計画書(短期入所生活介護計画書)の作り方

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ケアマネの「ケアプラン2表」を受け取ったら、今度は施設側の出番です。施設内の計画作成担当者(相談員や介護支援専門員など)が、より詳細な「ショートステイ計画書」を作成します。これは法的にも作成が義務付けられています。
(出典:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第百二十八条)
ケアプラン2表の「翻訳」と「具体化」
ショートステイ計画書は、ケアプラン2表の目標やサービス内容を「丸写し」してはいけません。自施設のサービスに落とし込んで、「誰が」「いつ」「何を」「どうする」まで具体化するのが仕事です。
【元管理者の経験談】
私が管理者だった頃、ケアマネの2表に「安全な入浴」とだけ書かれていることがよくありました。それに対し、施設の計画書では「入浴日:火曜・金曜。形態:機械浴。担当:看護師〇〇、介護士〇〇。注意事項:右半身に麻痺があるため、必ず2名で更衣・移乗介助を行う。皮膚の湿疹部に軟膏塗布。」と、ここまで具体化して初めて、現場の職員は迷わず動けるのです。
作成と同意のタイミング
計画書は、サービスの利用開始前に作成し、ご利用者またはご家族に説明し、同意を得る必要があります。ただし、緊急利用などでやむを得ない場合は、利用開始後に作成することも認められていますが、その場合も速やかに同意を得なければなりません。
【未来の計画書】AI・DXが「作成」と「連携」の負担を激減させる

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ここまで読んで、「こんな面倒な書類を2種類も作って、連携するなんて大変だ!」と思われたかもしれません。その通りです。この書類作成と連携こそが、現場の大きな負担となっています。
この「面倒」を解決するのが、AI(人工知能)とDX(デジタルトランスフォーメーション)です。
AIにできること①:計画書の「自動作成支援」
最新の介護ソフトでは、ケアマネジャーが「ケアプラン2表」の情報を入力すると、AIがその内容を解析。ショートステイ事業所側のシステムに、「ショートステイ計画書」の草案を自動で提案してくれます。
施設側は、AIが作った草案をベースに、自施設のサービス内容に合わせて微修正するだけ。これにより、作成時間が大幅に短縮され、ケアマネの意図とのズレも最小限に抑えられます。
AIにできること②:「科学的介護LIFE」との連携
AIは、日々の介護記録(食事量、活動量、バイタルなど)を分析し、「目標が達成できているか」を客観的に評価します。厚生労働省が推進する「科学的介護情報システム(LIFE)」と連携すれば、その評価データをAIがケアマネジャーにフィードバック。
ケアマネは、データに基づいて「このままのプランで良いか」「目標を見直すべきか」を判断できます。これにより、計画書が「作りっぱなし」になるのを防ぎ、根拠に基づいた質の高いケアサイクルが実現します。
まとめ:2つの計画書は、質の高いケアを繋ぐ「連携のバトン」

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ショートステイ利用時の「ケアプラン2表」と「ショートステイ計画書」について、その違いと役割、書き方を解説しました。
- ケアプラン2表:ケアマネが作る「在宅生活全体のマスタープラン」。ショートステイの目的と大枠の依頼を記載。
- ショートステイ計画書:施設が作る「滞在中の詳細な実行計画」。ケアプラン2表を基に、自施設のサービスに具体化。
- 作成のコツ:ケアマネは「目的」を明確に、施設は「誰が・どうする」まで具体的に書くことが連携の鍵。
- 未来の形:AIが2つの計画書の作成・連携をサポートし、職員の負担を減らし、ケアの質を高める。
これら2つの書類は、単なる事務作業ではありません。ご利用者の情報を、ケアマネから施設へ、そして施設から次のケアへと繋いでいく、「ケアのバトン」そのものです。AIの力を借りながら、このバトンを確実につないでいくことが、これからの介護現場には求められています。
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