【元管理者が本音解説】リハビリ特化型デイサービスはきつい?理由とAIで変わる未来
「リハビリ特化型デイサービスって、やっぱり『きつい』のかな…」「普通のデイサービスと何が違うんだろう?」
専門的なリハビリでご利用者の自立を支援する、やりがいの大きなリハビリ特化型デイサービス。しかし、その一方で「きつい」「大変」という声も多く聞かれます。これから働こうと考えている方、今まさに現場で奮闘している方にとって、その実情は気になるところでしょう。
この記事では、介護業界で20年以上、リハビリ特化型デイサービスの運営管理にも携わってきた私が、なぜ「きつい」と言われるのか、その具体的な理由と、それを乗り越えるためのヒント、そしてAI・DXがもたらす未来の働き方まで、現場の本音を交えて徹底的に解説します。
この記事を読めば、「きつさ」の正体だけでなく、その先にある大きな「やりがい」と「将来性」が見えてくるはずです。
【核心】なぜリハビリ特化型デイサービスは「きつい」のか?4つの理由

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まず、なぜ「きつい」と感じるのか、その具体的な理由を掘り下げましょう。それは主に4つの要素が複合的に絡み合っています。
理由①:身体的な負荷が大きい【体力勝負】
リハビリ特化型では、ご利用者の移乗介助、歩行訓練のサポート、リハビリ機器への誘導・設定など、身体を動かす場面が通常のデイサービスより格段に多いのが特徴です。特に午前・午後の入れ替え制(短時間型)の場合、常に動きっぱなしということも珍しくありません。
【元管理者の経験談】
私が現場にいた頃も、特に午前の部はフル回転。訓練の合間に記録、消毒、次のご利用者の準備…と息つく暇もないほどでした。「午前中で汗だくになる」というのは、決して大げさではありません。腰痛予防のコルセットが手放せない職員もいました。
理由②:「成果」を求められる【精神的プレッシャー】
リハビリ特化型の最大の目的は「ご利用者の機能維持・改善」です。そのため、リハビリの成果(ADLの変化など)が明確に求められます。目標達成に向けて計画を立て、実行し、その結果をご本人、ご家族、ケアマネジャーに報告する。このプロセスは大きなやりがいに繋がる一方、「なかなか成果が出ない」「期待に応えられているだろうか」というプレッシャーにもなり得ます。
理由③:専門職との連携と高いスキル要求
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、看護師など、多職種と密に連携してケアを進める必要があります。介護職員も、単なる介助だけでなく、リハビリの目的を理解し、ご利用者の意欲を引き出す声かけや、訓練中の細かな変化を見逃さない観察力が求められます。常に学び続ける姿勢が不可欠であり、それが負担と感じる人もいるかもしれません。
理由④:時間管理の厳しさと効率性
短時間で多くのご利用者に質の高いリハビリを提供するため、スケジュール管理は非常にシビアです。送迎時間の遅れ、訓練の遅延などが許されない緊張感があります。効率的な運営が求められるビジネスモデル(後述)であることも、現場の忙しさに繋がっています。
【比較】通常のデイサービスとの決定的な違い

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「きつさ」の背景には、通常のデイサービスとの目的・運営体制の違いがあります。
| 項目 | リハビリ特化型デイ | 通常のデイサービス |
|---|---|---|
| 主な目的 | 機能維持・改善(リハビリ) | 生活支援、社会的孤立感の解消、家族の負担軽減 |
| 中心となる専門職 | 理学療法士、作業療法士、看護師、介護職員 | 介護職員、生活相談員、看護師 |
| 1日の流れ | リハビリプログラム中心(個別・集団)、短時間(3~5時間程度)が多い | 入浴、食事、レクリエーション中心、長時間(7~9時間程度)が多い |
| 雰囲気 | 訓練に集中、活気がある | 和やか、アットホーム |
このように、目的が違うため、求められる役割や業務の密度が大きく異なります。それが「きつい」と感じるか、「専門性を活かせる」と感じるかの分かれ目になります。
看護師に求められる役割とスキル|医療と介護の架け橋
リハビリ特化型デイサービスにおける看護師は、単なる健康管理者ではありません。安全なリハビリ実施の「砦」であり、医療と介護をつなぐ重要な役割を担います。
- リハビリ実施可否の判断:訓練前のバイタルチェックはもちろん、ご利用者の既往歴やその日の体調を総合的にアセスメントし、「今日の訓練は可能か」「どの程度の負荷なら安全か」を判断します。
- 急変時の初期対応:訓練中に万が一、体調が急変した場合の初期対応と、医療機関への的確な情報連携を行います。
- 多職種連携の要:医師、理学療法士、介護職員の間に入り、医療的な視点から情報共有やケア方針の調整を行います。
高い観察力、アセスメント能力、迅速な判断力、そして円滑なコミュニケーション能力が不可欠な、非常に専門性の高いポジションです。
「きつい」だけじゃない!リハビリ特化型デイの魅力と将来性
厳しい側面ばかりではありません。リハビリ特化型デイには、それを上回る大きな魅力と将来性があります。
【魅力①】成果が目に見える「やりがい」
最大の魅力は、ご利用者の「できた!」が増える瞬間に立ち会えることです。「杖なしで歩けるようになった」「腕が上がるようになった」といった具体的な改善は、ご本人やご家族はもちろん、支援する職員にとっても何よりの喜びであり、大きなやりがいに繋がります。
【魅力②】高い需要と将来性
高齢化が進み、「できるだけ長く自宅で自立した生活を送りたい」と考える人が増えています。国の政策も「自立支援・重度化防止」を重視しており、リハビリ特化型デイサービスの需要は今後ますます高まると予測されています。つまり、社会的に非常に必要とされている、将来性のある分野なのです。
(出典:厚生労働省「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」)
【魅力③】「儲かる」仕組みと安定性?
「リハビリ特化型は儲かる」と言われることもあります。これは、機能訓練加算などの専門的なサービスに対する介護報酬が比較的高く設定されていることや、短時間・2部制による効率的な運営が可能であるためです。しかし、専門職の人件費も高いため、「質の高いリハビリを提供し、利用者に選ばれ続ける」ことが安定経営の絶対条件です。決して楽して儲かるわけではありませんが、成果を出せば経営的にも安定しやすいビジネスモデルと言えます。(出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定の概要」)
【魅力④】求人が多く、キャリアアップしやすい
需要の高まりに伴い、求人数も多い傾向にあります。専門職との連携を通じて、介護職員もリハビリに関する知識やスキルを深めることができ、キャリアアップを目指しやすい環境と言えます。(出典:厚生労働省「職種別有効求人・求職状況(常用)」※介護関連職種は常に高い倍率)
【未来の働き方】AI・DXが「きつい」現場を変える!

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これまで述べてきた「きつさ」を軽減し、職員がより専門性を発揮できる環境を作る切り札として、AI・DXの活用が急速に進んでいます。
- AIによるリハビリ計画の最適化・効果測定:ご利用者の状態や過去の訓練データをAIが分析し、最適なリハビリメニューを提案。訓練効果も客観的なデータで可視化し、計画の見直しをサポートします。(参考:厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)」)
- 見守りセンサー・AIカメラによる安全確保:訓練中の転倒リスクが高い動きや、バイタルの異常などをAIが自動で検知し、職員に通知。少ない人数でも安全管理の質を高めます。
- 装着型パワーアシストスーツによる身体負担軽減:移乗介助などの際に、腰や腕の力を補助するロボットスーツを導入することで、職員の身体的な負担を直接的に軽減します。(参考:厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」)
- 記録・報告業務の自動化:訓練内容やADL評価などを音声入力やタブレットで簡単に入力。報告書の作成もAIがサポートし、煩雑な書類業務から解放します。
【これからのリハビリ特化型デイ】
AIやロボットは、決して人の仕事を奪うものではありません。むしろ、人間が「判断」「コミュニケーション」「寄り添い」といった、より高度で人間的な業務に集中できるように、きつい部分、大変な部分をサポートしてくれる存在です。テクノロジーを賢く活用することで、リハビリ特化型デイは、もっと働きやすく、もっと成果の出せる、魅力的な職場へと進化していくでしょう。
まとめ:「きつい」の先にある成長と未来。リハビリ特化型デイのリアル

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リハビリ特化型デイサービスが「きつい」と言われる理由と、その実情、そして未来について解説しました。
- 確かに、身体的・精神的な負荷は大きく、高いスキルと効率性が求められる「きつい」現場であることは事実。
- しかし、ご利用者の機能改善という明確な成果を間近で見られる「大きなやりがい」がある。
- 社会的な需要は高く、将来性のある分野であり、専門職として成長できるチャンスも多い。
- AIやロボット技術の導入が進み、現場の「きつさ」は確実に軽減されつつある。
もしあなたが、専門性を高めたい、ご利用者の「できる」を増やしたいという強い想いを持っているなら、リハビリ特化型デイサービスは、その「きつさ」を乗り越えるだけの価値がある、挑戦しがいのあるフィールドです。この記事が、あなたの次の一歩を考えるきっかけとなれば幸いです。
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